国立大学の独立行政法人化について


国立大学の独立行政法人化は、大学改革の論議とは全く別に行政改革の流れの中で 突如対象となったと思われます。
 これは、長期展望に基づく教育政策の裏付けでなく、行政改革推進の数合わせに利用 されたと言っても過言ではありません。つまり、自公保連立政権は公約実現に向けて数 合わせに四苦八苦しており、国立大学は甘い果実に映ったとの指摘もあります。

★ 大学の独立行政法人化の問題点

よく、大学の独立行政法人化は、大学の独立性が高まるとともに個性を発揮できるので はないかという意見がありますが、次のような問題点があります。
 
1.大学の自治の根幹に関わる問題である。
2.大学の教育・研究とは、大学自らが企画立案し行っていくものであり、それ以外の形 はない。
3.評価委員会の構成員の不明さ、さらに総務省の審査があり、国家権力による大学 に対する介入が見え見えである。
 
通則法の問題点としては、
 
 @学長の任命権は主務大臣がもつ。
 A3〜5年の中期目標の設定、大学の改廃措置と関連。
 B中期目標の達成度の度合い、評価委員会や総務省が判断。


★ 独立行政法人化の問題点を個別法で穴埋め

文部省は大学の独立行政法人化による問題点を個別法で穴埋するのではないか、と いう憶測がありますが、これについても次のような反論があります。
 
1.個別法は通則法の枠内である。
2.特例法の形なら検討の可能性があるが、それは独立行政法人と呼ばれないものに なろう。
3.なぜ独立行政法人化という教育政策不在の方策で、手を着けねばならないのかとい う無力感。これはモラルの低下を招く。


★ 国立大学は聖域か

国立大学が聖域でよいのかという意見もありますが、今回の行政改革で聖域化された のは、むしろ中央官庁のほうであります。特に改革されなければならない、総務庁は、 総務省に昇格しております。
大学には、国立大学の行政法人化は、官僚の一人勝ちに終わった行政改革から、人 目をそらす口実でしかないという意見が多いのであります。

おわり



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