同年代の消息 


私くらいの年齢になると、どうも、その昔、何かの縁があって想い出として残っている同 年代の消息が気になるものであります。
 
私が、まだ3歳くらいの頃、よく、家の中で母親とカルタをして遊んでいました。その時、 玄関をガラガラと開けて、私くらいの子供を連れた母子が入ってきて「何か食べる物を 下さいませんか」と言うのです。
いわゆる、物もらいなんですが、戦後の混乱期から数年経過しても、立ち直れないで乞 食や物もらいをしながら生活をしている人々が多く、まだ、戦時中の傷跡が癒されてい なかったのであります。
 
母親は、焼きおにぎりを作って与えておりました。物もらいの母子は、超貧乏をしていた 私と母よりも良い着物を着ていたのが何となく印象的でした。
その時、母親はまだ21歳でした。

私と同年代の子供の中には知的障害者の子供もいました。その頃は施設も充実されて おらず、その子供がよく自宅の近くまで遊びに来るのですが、近所の子供達は誰も相手 にしませんでしたね。
 ある日、私はその子供と水鉄砲で遊ぼうと思い、自宅の近くまで誘ったのですが、保護 者がスクーターでやって来て連れて帰りました。その保護者、私に何か言いたそうでした ね。
 その子供も、健康であれば私と同じくらいの歳になっていると思いますが、元気にして いるかどうか。

おわり



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