オーディオとは何か


オーディオとは端的に申しますと、レコードやCD、テープや放送を聞いて楽しんだり、テ ープやMDで録音してみることです。それを、ローエンドだのハイエンドだのとランク付け をしたり、何故むずかしく考えなければならないのでしょうか。
それは、われわれが人間だからです。人間は限りない欲望と注文の多い動物だからな のです。だから他の動物とはちがうのです。

人間は食べるだけの為に生きてはいません。いくら着飾ってもまた別の物が欲しくなっ てくるものです。まったく際限がありません。美人の悩みは、美をいつまでも維持するこ とであり、資産家の悩みは資産を如何にして維持しながら殖やすかにあります。

カメラは「写るだけで良い」と思っている人がいます。「ばかちょん」カメラや「写るんです」 カメラなどでは「ヘールボップ水星」はよく撮れません。また、動きの速い被写体や夜景 などの撮影にも不向きです。あるいは、「芸術写真に興味はない。家族写真しかとらな いのですから」といって、ASA100のフィルムを詰めて、カメラの方はASA200に合わ せ、ピンボケ、カメラぶれ、おまけに首がちょんきれている、といった写真をとって満足で きますでしょうか。

オーディオも、音が出ればいい、というだけでは満足はできません。ここを読まれている 皆さんも、できるだけ良い音を楽しむための参考意見を求めていらっしゃるものと思わ れます。

「オーディオの3要素」

さて、前置きが長くなりましたが、オーディオには3つの要素が絶対必要です。
プログラム・ソースと再生装置そしてリスニング・ルームです。厳密にいえば、これにリス ナーが必要ですから、4要素かもしれませんが、リスナーはそれこそ千差万別、簡単に きめつけることはできませんので、今回はリスナーぬきの3要素で考えます。

1.プログラム・ソース

言わずと知れた音の素です。音楽、あるいは自然音、人工音を、別の形に換えて、保 存、携帯、伝達に便利なようにしたもののことをいいます。
テレビやラジオ放送、CD、DVD、MD、レコード(ディスク)、オーディオテープ、ビデオテ ーブなど、これなしにオーディオはありえません。

2.再生装置

一般に、ステレオとか、オーディオなどと呼んでいるのはこの部分が多いです。
様々な形式のシステムがあります。ポータブルステレオ、卓上ステレオなどCDラジカセ に属するものから、モジュラーステレオ、セパレートステレオ等ミニコンポに属するもの、 これらの大部分はセット売りであって、基本的にバラ売りはしていないのが一般的です。
システムコンポーネントは、セットですが、バラ売りもしてます。コンポーネントステレオは セットではなく、CDプレーヤーとアンプ、スピーカーなどのパーツを自由に組み合わせ、 自分好みの音が出るようにするものです。パーツについて説明しておきますと、CD、D VD、MD、DAT、VTR、アンプ、チューナー、テープデッキ、スピーカーといった、単体で 売っているもののことです。

3.リスニング・ルーム

装置を置いて音楽を鑑賞する部屋のことをリスニング・ルームといいます。
リスニング・ルームなしに音は考えられません。たとえば、月面に再生装置をセットして スイッチを入れても、音は聞こえませ。理由は、空気がないため音波として伝搬しないか らです。
また地球上であっても、たとえば富士山の頂上や鳥取砂丘の真ん中とか、トンネルの中 や公衆浴場の中に、高級な装置をセットして鳴らしてみても、決していい音はでません。 理由はリスニング・ルームとしての条件を備えていないからです。
どんなにいい装置を買いこんでも、最終的にはリスニング・ルームで音がきまってしまい ます。
考え方によれば、リスニング・ルームは、再生装置の一部といえます。そしてそれは、最 も重要な一部といえると思います。

「結論」

これらの3要素があってこそオーディオと言えるのである、というのが私の持論です。人 間は限りない欲望を持った動物ですから、趣味が転じて道楽となる恐れが十分に考えら れます。しかしオーディオは、オーソドックスな使い方から、更に一歩突っこんで、個性的 な音作りへと進むことをお勧めしたいと思います。
こうなればどうしても、高級な装置と、高度な知識、テクニックが必要になってくるので す。

おわり



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