レーザーディスクの経年変化問題

 14.日本フォノグラム社の回答

                           1989年月9月12日

                                    日本フォノグラム
                                      録音・映像部

              レーザーディスク品質保証ご質問の件

○ソフトの器としてのレーザーディスク

弊社は,世界の優れたオーディオビジュアル作品を,より多くのファンの方々様に,で きる限り高音画質にてお届けいたし,いつまでもいつまでも,ご鑑賞いただけますよう に,今日最もハード機器の充実いたしております.
CD:カセットテープ:LP等を,そして,ビジュアルは,レーザーディスク(CDV LP):ビ デオパッケージ等に作品を収納し,お客様にお届けいたします器として活用いたしてお り,その器は,オランダ・ポリグラム・インターナショナル及び,弊社独自の基準・規定 により選択いたしました指定工場にて(例.クラシックのCDは三洋電機?)それぞれ製 造いたしております.
従いまして,弊社発売ソフト商品の一品一品の品質保証は,全て当社におきまして実 施されております.
これらソフトの器となりますレーザーディスクやCDは,全て,パソコンなどの家電製品 同様,プラスチックに於ける工業製品のひとつであり,民生機のレベルのもので互換 性もたいへんよく比較的丈夫であります.

○レーザーディスクの経年変化について

レーザーディスクの寿命といたしまして,お客様のお取り扱い方により大きく左右され ますが,生活常温・常湿におきましてのご使用は,半永久的を目指しております.
しかし,レーザーディスクも他の工業製品と同じく全ての出荷品が完ぺきであるとは残 念ながら思われません.
弊社では,規定により,一応1年間はその品質保証させていただきますが,それ以上 の年月又は,お取り扱い上の人為的損傷などによります責めにはご容赦をお願い申 し上げます.
さらに,弊社商品は,モデルチェンジに当たりますところの価格変更と再発売,ならび に廃盤も有り得ますのでご了承願います.
しかし,これらのように弊社におきまして,一方的な定義づけをいたしましたところで, お客様におかれましては,弊社商品に対しますご苦情やご質問をお持ちの方もいらっ しゃいます.
万が一,当社商品に不都合が生じました折には,誠にお手数ではございますが,ご指 摘の商品をご発送いただき,弊社の責任におきまして徹底調査させていただきます.
調査結果ののち,お客様のご納得いただけますご対応をさせていただく所存でござい ます.レーザーディスクは,ハードと共に多くのユーザー様にご信頼賜わり急成長遂げ てまいりました.
今後,科学技術がさらに急進いたし,レーザーディスクを超えたソフトの器が発明さ れ,世界的に普及し始めましたなら,ディスクでありましょうと,テープでありましょうと も,その種類は問題ではなく,積極的に採用いたし,より優れたソフトの器といたしまし て基準づけ起用いたす所存でございます.
音楽・映像ソフトは,われわれレコード業者におきまして唯一の財産であります.弊社 では,将来,通信回線などを利用し,クリーンな音や映像を,お客様宅までお届けでき ますよう,電送システムの研究中でございます.
その夢がかないました折には,ほぼ完全なソフト供給が可能となり,権利の保護対策 にも期待いたしております.

(1989年9月14日着信)


以上,経年劣化の対応について,15社から回答がありました。
(平成元年9月27日現在)


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