怖い虫の話 「5.ハエの怖い話」

私が小学5年生の時、中央区から北区に引っ越しました。当然、通っていた 小学校からも北区の小学校に転校したのでありますが、周囲の生徒からは 「よそ者」扱いされて、あまり良い環境ではなかったという思い出がありま す。

それはともかく新築の家というのは、なかなか気持ちがよいものですね。何 と言っても新しい畳の匂いが格別です。ところが家の周囲一帯は牛の餌に なるレントコーン畑で牛舎が多く、そのためかハエが群になって飛んでおり ました。現在問題になっている肉骨粉もない時代で、当然、狂牛病問題もあ りませんでした。


当時の殺虫剤と言えばDDTくらいしかなく、ハエ取りリボンも数日で取り替 えなければならないほどハエが多かったという記憶があります。
そこで私は、吹き矢でハエを落として遊ぶことを思いつきました。日曜日の ある日吹き矢で遊んでいた時、廊下の窓に青虫がいるのを発見しました。 よく見ると青虫の体内からウジ虫が数匹、ニョロニョロと出ているではありま せんか。

私はウワーッとビックリ仰天し、吹き矢を間違って吸ってしまいました。吹き 矢の先にはマッチ針が2本付いており、そのまま口から胃の中に飲み込ん でしまいました。
しばらくして母親が買い物から帰ってきたので、この事を話したら母親もビッ クリし、急いでタクシーを呼んで病院に連れていってくれました。

私は、マッチ針を2本も飲んだらもうダメかと思いましたが、レントゲン撮影 後の医師の説明では、食道を通過したら問題なく便と一緒に排出されると いうことでした。
結局、何の処置もされずに自宅に帰りましたが、以後、吹き矢で遊ぶことは 止めました。

【おわり】



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