レーザーディスクの経年変化問題

/// 経年変化に対する主なソフトメーカーの対応 ///

さて本題に入ります.
 レーザーディスクの経年変化は,現在は解決済みであると言われますが,私の場 合,4タイトルのディスクに経年変化が起こり(元年/9月現在)交換などの処置をして いただきました.
この件を含め,主なビデオソフト販売元に対し,次の文書を返信用の葉書きを同封し 差しだしました.


                                 1989年5月16日

  ********** 殿

       LD(レーザーディスク)の経年劣化の対応について

拝啓、時下益々ご清栄の事とお慶び申し上げます。また、著作権などの問い合わせに ついてご協力を頂き有難くお礼申し上げます。ご回答は、さっそく、PC-VANなどのパ ソコン通信ネットワークに送信しライブラリーとして保存させて頂きました。
さて、レーザーディスクは、高画質および高音質で、ディスクが摩耗せず安定したクォリ ティが維持できる等の特長があります。

しかし、プレス元により差がありますが、初期(4年位前までにリリースされた作品)の 製品の中には、スノーノイズなどの経年劣化が起こり易いものがあります。
その原因について、次に示すようなLDの製造工程および素材の違いという事がパソ コン通信やLD製造メーカーの回答により判明しました。

【LDの経年劣化の原因】

LD・CDは、ご承知のように、ピットの成形された樹脂盤にアルミの反射膜をつけてそ の上に保護膜層があります。
初期のLDのアルミの純度は100%に近いものが使用されていたため純度が高く、更 に薄いため空気中の水分だけで、徐々にアルミが錆びてしまいスノーノイズの原因に なったということです。すなわち、LDの保護膜層に使用されている、PMMA樹脂という のは空気中の水分を吸湿・透過する性質があるため、LDの反射膜(アルミ)が錆びて スノーノイズを発生させます。

以上がLDの経年劣化の原因ですが、現在は、LDの反射膜を酸化アルミの状態にす ることで、「錆」の問題は解決したようで、この技術を反射膜のアルマイト化というそうで す。この技術が確立された現在では、LDの経年劣化はないということです。
しかし、どんな技術でもそれが100%完全ということはありえたいため、LDは購入後 何年たっても、ディスクに経年劣化があれば交換してくれるシステムになっており、既 に廃盤になっているソフトの場合は、希望する別タイトルに交換してくれます(パイオニ アLDC社の対応)。

スノーノイズは、小さなテレビをモニターとして使用しているユーザーや、LDを購入した ときだけ視聴しその後はラック等に保管したままのユーザーには気がつかないでいる 事が多いと考えます。
つきましては、LDの経年劣化における貴社の対応およびご見解を、同封の葉書にご 記入され、6月中旬頃までにご返信頂ければ幸いに存じます。
なお、貴社のご回答は、PC-VANなどのパソコン通信ネットワークに送信させて頂き ます。
ユーザーがLDを安心して購入視聴できるよう誠意ある対応を期待しております。
                                           敬具




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