主なビデオソフトメーカーの解釈と回答【2】
■ ワーナーパイオニア 

[1] 著作権法の第三十条(私的利用のための複製)にあるとおり,私的使用 のためのコピーは違法とはなりません.ただし,個人保用の商品に限られ,レ ンタルしてきたものの複製は,”違法”という解釈をとっています.個人が違法コ ピーを行なっても告訴しません.できないのが現状です.

[2] 前項同様,所有権が移行していないものは,コピーをすれば違法でしょ う.テレビ放映については分かりません.

[3]”EYE−NET”とは?,
いずれにせよ,”放映権”について,有料,無料関係なく,著作権者の許諾を得 なければ違法です.

[4]
★当社では,既に逆転の傾向にあり,来年(1989年)発売の商品は,LDより VCの方が,安価になるものが多くなります.
★米国に比べ高いのは,生産ロットによるものでしょう.
日本でも5万巻以上程度のものであれば,かなり安くコストが上がるはずです.
ただし,そのメーカーのメイン商品ですから,ある程度 ”利益”を考えた価格設 定をしています.




■ 現映社

[1] ビデオソフトの複製(コピー)は,個人が家庭内において,自分の目的の ために自分の手段(すなわち機器)で行なう場合に限って容認されるものと理解 しております.従って,レンタルビデオを業者にコピーさせることは不法複製と言 わなければなりません.(これは,ラジオ,テレビ番組の録音,録画の場合も同 様であると考えます.)

常識的には,私どもは,個人が家庭内で行なった複製については,告訴する考 えはありません.私どもが今問題にしているのは,販売またはレンタルに供する 目的を持って,業者が大量に複製するいわゆる海賊版ビデオについて,著作 権法に定める複製権,領布件,貸与件などが侵害されたものとして,告訴の手 続きを取るものであります.

ジャケット等に印刷された「無断複製」禁止は,原則論として明記したものであ り,その他,放送,上映,公開演奏,レンタルなどは,それぞれ,その必要があ る場合,著作権者に申し出て,その許諾を得ればいいわけで,ケースバイケー スにより,利益が得られると考えれば,契約に基き,それ相応の支払いを受け ることにより,その範囲内で認めておるのが現状であります.ただ何事も勝手に 無断使用しては困るということであります.

[2] 著作権者すなわち”映画製作者”は,著作権法上さまざまな権利を独占的 に有しておりますが,これが公益的理由や社会慣行により著作物の公正でと考 えます.
それが[質問1]でお尋ねの私的使用のために本人が自分で行なう複製や図書 館などにおける部分的複製,学校などの教育機関で行なう授業に使用するた めの複製また時事事件の報道のための利用などについては,その出所を明示 すること,複製物の目的以外に使用しないことを条件に認められております.
従って,一概に営利に使用しないから何でもコピーして自由に使用出来るという ものではありません.

[3] CATVやCCTVの放映などは,営利行為として利用するものであるから, 契約書の締結により,有償で許諾しますが,大学祭など,営利を目的としない 上映などについては,状況説明を受けた上で,無償で許諾する場合もあります が,その場合でも,その作品のタイトル名と製作者名を傍に明示することを条 件として行なうよう申し入れています.

ただ,大学祭であるから,すなわち営利目的でないからと言って,製作者に無 断で上映することには,意義申立てが行なわれてもいたし方ありません.あくま で製作者に申出て,その許諾を得る必要があり,無償か有償かはその使用状 態によって判断されるものであると考えます.
例えば,入場料は徴収しなくても,百貨店の屋上で放映する場合は,間接的に 客寄せに利用することであり,営利目的の一部と見なすことが出来ます.
また,喫茶店で放映する場合でも同様の解釈が成立すると思われます.

[4] ビデオテープが高額なのは,出荷するテープの95%以上がレンタル店に 於て,レンタルに供されているという現状からすれば止むを得ないと思います.
LDはレンタルを許諾しておらず,もっぱらエンドユーザーへ販売する目的で作 られており価格は低めに設定してあります.
日米の価格差は,ビデオソフトのマーケットの大きさの違いから派生するものと 考えます.
1000万円の製作費を2000〜3000本で償却するのと20万本〜30万本で 償却するのとでは,おのずから価格に差異が生じます.
日本でも,最近セルマーケットが生れ,漸次拡大される傾向にありますが,これ らの価格は,2000円平均で売られております.




■ 東京放送(TBS)

[1] 著作権法は,家庭内における個人の使用に限って,録画が権利者に断 わりなくできる,合法的に行えることを明定しています.
(第30条)これは,テレビやラジオの番組であろうとビデオソフトであろうと同様 です.ただし使用する個人が自ら録画しなければ違法であり,また自ら録画した としても,ビデオソフト販売店,レンタル店に備えつけられたダビング機を使った 場合は違法となります.

ビデオソフトのジャケットに「無断で複製....することは法律で禁じられていま す」というのは,100%正しい表現ではなく,ご指摘のとおり,上記30条の要件 を満たせば禁止されません.
ただし,個人使用の目的の複製が相当数行なわれるため,ビデオソフトメーカ ーの売上げに影響を与えている事実は否定しがたく,メーカーとしては「ただし, 個人使用の目的で自ら複製する場合は法律で禁じられていません」と,そこま で正確に明記しづらい事情があることは,ご理解いただきたいと存じます.

[2] 個人または家庭内の範囲を越えて使用する場合は,権利者に断わりなく するコピーは,ビデオソフトであれテレビやラジオであれ,原則として違法となり ます.従って,企業内,大学祭等で使用する目的でコピーすれば違法です.

ただ,学校その他の教育機関(予備校等営利を目的として設置されているもの を除く)において,教育を担任するものが,その授業の過程における使用に供 する目的とする場合に必要と認められる限度においてコピーが許される等(著 作権法第35条)その他いくらかの例外があります.

[3] 営利を目的とせず,かつ聴衆または観客から料金を受けない場合は上 演,演奏,口述,上映を権利者に断わりなくしても違法とはなりません.ただし, 演奏家等に報酬を払わないことが条件です.(著作権法第38条)ただコピーす ることは一切出来ません.
市販ソフトを買うか借りるかして,それをそのままデッキにかけて上映する場合 が違法でないのであり,コピーする場合は質問2でお答えした通りです.

[4] 当社では,テレビ番組の二次使用の目的でビデオカセットを製作するとい うのが主たる目的でありますので,LDの業界の事は良く判りません.ただLDの 値段が安いのは,ビデオカセットの二次利用とかハードの面からではないかと 思います.
またアメリカの場合,日本に比べてビデオソフトの人口の多いことやビデオショ ップやレンタル店等が大規模で市場全体の差からくるものと思います.




■ パラマウントビデオ社(現在、パッセルビデオ社)(口頭による回答)

[1] コピーは、全て違法と解釈している。
しかし、現在、問題になっているのは、海賊版ソフト(内容はもちろんパッケージ までもコピーしたもの)であり、個人が視聴を行うためのコピーは黙認せざるを 得ない。

[2] 営利を目的としないコピーは問題としない。

[4]
(1) どのようなソフトでも、良く売れるものと売れないものがあり、それを考慮し た価格設定をしなければ採算がとれない。
(2)現在の作品は、映画だけでは償却はむずかしく、ビデオで償却するのが現 実である。




■ ヘラルドネルソン社

[1] 家庭内での個人の使用については、規則の範囲外であると思われます。

[2] 上記の答えに準じると思います。

[3] お問い合わせの件は、映画の場合「非劇場公開権」がクリアされているこ とが求められるケースのように思われます。

[4] 日本の場合、人件費からダビング・コスト、流通コストから、すべてのコト がアメリカよりかなり高いことが理由の第一に挙げられます。

弊社は現在ビデオ協会には加盟していませんが、ヘラルド・グループの一員と して、あらゆる問題に関してビデオ協会の判断に準拠するつもりでおります。   草々

1989年1月11日



 つづく


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