母親から聞いた話だが、あのような環境の中で暮らしていても、当時、北大に入った子供や2000万円も貯め込んだ人もいたそうである。
昔は、なんといっても貧乏人の中の貧乏人といえば公務員や鉄道員であった。なにせ「公務員には嫁がこない」という時代であったから、どれだけ貧乏であったか察しがつくと思う。
国鉄に勤めていた私の父親も、近所の人から日本一の貧乏人と呼ばれていたくらいである。誰も嫁にこないのを知りながら、なぜ国鉄に入ったのか知りたかったが、もうそのわけを聞くことはできない。
「親孝行したいときには親は無し」とよく言ったものであるが、親がいるときには「親孝行したくないとき親が居る」というのが現実と思うのである。
私には娘がいるが娘にもそう思われているのかも知れない。数年前は「安室」ルックが流行っていたそうだが、当時の娘も例外ではなく、長い髪を茶色に染めて厚底のブーツを履き、この寒いのに超ミニスカートで出歩いていたのを思い出す。私は「お前、格好だけは真似ができても八頭身だけは真似ができないぞ」と怒鳴ったら険悪になってしまった。
そもそも、北海道のような豪雪寒冷地に住む人間は脚が短くなるのである。その理由は、豪雪地帯さらに氷の世界で育つため、膝から下は安定性を保つため伸びないのである。そして膝から上は太くなる。
北海道からミスユニバースやミスワールドが出ない原因はそこにある。もし、脚が長くなるように成長したい、あるいはさせたいときは、雪や氷のない地方で暮らすことをおすすめする。
ついでに言うと、北海道のような寒冷地に住む人間は、本州のような暖かいところに行くと、玉のような汗を流す。そのわけは、寒冷地であるため、生まれたころから保温のため汗腺の穴が閉じてしまうからだ。
一方、暖かいところに住む本州の人間の場合は、まんべんなく汗をかくため、玉のような汗をかく人は少ない。したがって東京のような大都会に住んでいたとしても、「脚の長さ」や「汗のかき具合」から出身地の察しがつくのである。
北海道の春は遅く夏は短い。
豪雪だけは昔も今も変わらない。おそらく未来も変わらないだろう。 |